高血圧症とは
高血圧の診断基準値・降圧目標値のご相談は当院へ
高血圧症は、持続的に血圧が上昇する病態です。具体的には、診察室での血圧が140/90mmHg以上である場合、高血圧症に該当します。放置すると、心臓、眼底、脳、大動脈、腎臓などさまざまな循環器や臓器に障害を起こします。とくに高血圧症は、脳卒中の罹患率や死亡率とのかかわりが深いといわれていることもあり、脳卒中を防ぐためにも血圧のコントロールは欠かせません。
40歳以上の方の45%が高血圧に該当しますが、自覚症状がなく、健康診断で指摘されることが多いです。そのため、高血圧はサイレントキラーとも呼ばれます。
高血圧症に該当するのは、診察室での血圧が140/90mmHg以上の場合と前述しましたが、血圧値の程度によって重症度が変わります。
高血圧の前段階から合併症が進行すること、高血圧の前段階から高血圧へ移行する方が多いことを踏まえて、高血圧の前段階は至適血圧(120/80mmHg未満)、正常血圧(130/85mmHg未満)、正常高値血圧(130〜139/85〜89mmHg)に分類されています。
この前段階から高血圧に移行しないよう、注意する必要があります。
高血圧症の原因
高血圧症と診断される方の約90%は、原因がはっきりしない高血圧「本態性高血圧」といわれています。いわれています。本態性高血圧は、遺伝などの体質や、生活習慣などの要因が複合的に関係している可能性が高いです。
一方で、原因が明らかな高血圧は「二次性高血圧」に該当します。二次性高血圧の原因で多いのは、ホルモン分泌異常をはじめとする何らかの疾患をはじめ、お薬の副作用によって起こるものもあります。
いずれも原因を取り除くことができれば完治あるいは軽減することがほとんどです。
高血圧症の治療
生活習慣の改善
まずは生活習慣の見直しを図ります。
具体的には、
- 食事の塩分摂取を制限する
- 適正体重をキープする
- 運動する習慣を作る
- アルコール摂取量を減らす
- 禁煙する
などが挙げられます。
とくにコレステロールの取りすぎや喫煙習慣のある方は動脈硬化を起こしやすいので、注意が必要です。
降圧薬による治療
生活習慣の改善を行っても、血圧のコントロールが不十分である場合は薬物療法を行います。
主に使用される降圧薬には
- アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
- アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
- Ca拮抗薬
- 利尿薬
- β遮断薬
などがあります。
※ 患者さんの持病や年齢などを考慮して、適切な降圧薬を選択します。